2018年ロシアW杯 日本代表卒業旅行

このままでは壊れたレコードのようにTwitterで延々と同じ愚痴を繰り返しかねないので以下に記す。

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2018年ロシアW杯で日本代表はベスト16という結果を残した。大会2ヶ月前に監督を解任し、その後のテストマッチでもボロクソ言われていたにも関わらず、GL突破という「結果」を残したのだから彼ら日本代表が称賛されるのも間違ってはいない。 かくいう私もハリルホジッチがよく分からない理由で解任されて以降、すっかり代表に嫌気が差していた1人だ。それでもベルギー戦の後には、大会前にさっさと3連敗してしまえと少しでも思っていたことを恥じた。試合後のとあるインタビューを目にするまでは。

www.goal.com

「今大会のために作られたってよりはこの4年のために海外に行って、Jリーグでもそうだし、その培ってきたものが結局ワールドカップに出ていると思う。それをまとめてくれたのが西野(朗監督)さんだと思う。まあハリル(ヴァイッド・ハリルホジッチ前監督)さんでは選ばれていない可能性のある選手もいっぱいいたと思うし、そういう意味ではそういうのを認めてくれたっていうことはすごく大きかったのかな」

そういやGL突破後にわざわざハリルホジッチ解任に言及したやつがいたな

www.footballchannel.jp

「協会側がハリルさんを解任して西野さんにしたっていう判断。記事とかも俺は見ていましたけど、ハリルさんの時にあれだけ『解任した方が』とか報道で出ていた。でもそれをした途端に『何でこの時期なんや』みたいなとか。俺は見ていてちょっとよくわかんなかった。勇気のいる決断だったと思うので、俺らからするとその判断っていうのはその時から素晴らしいものだと思っていました。そういう判断をした協会に対して、次は自分たちが応えないといけないとは思っていた」

週刊誌に造反組と名指しされたのは誰だっけ?

www.dailyshincho.jp

「既に代表落ちしていた本田が、田嶋会長の個人アドレス宛てに連名で“監督解任”を請うメールを送ろうと持ちかけてきたのです。他にも乾、FW岡崎慎司、DF吉田麻也が“連判状”に名を連ねました」

田嶋幸三はかく語りき

note.mu

田嶋:試合の結果と言うよりは、内容だとか選手たちの望む気持ちなどを汲んでこの結果になりました。この結果だけじゃなくて、去年から我々は色々ディスカッションしていました。

(略)

今回選手に聞いてわかったのですが、自分がでれないから監督を変えてくれなんて言うような選手は一人もいない。日本のサッカーを考えてくれているのがわかってとても嬉しかったし、スタッフも監督と実際に話したりしていました。

へー笑

これらの報道に対して抱いた気持ちを『砕かれたハリルホジッチ・プラン』の著者である五百蔵氏は端的に指摘してくれていた。

やっぱり、今回のW杯に出場した日本代表は「私達の代表」ではなく「彼らの代表」だったんだなと。ベスト16に進出したからといって彼らの造反劇を不問に付すなんてことはありえない。一番問われるべきは解任の最終的な判断を下した田嶋会長で間違いないのだが。

別に私はハリルホジッチが素晴らしい監督で、そんな人を解任するのは間違いだった、と怒っている訳ではない。ハリルホジッチの実績、発言にどれほど説得力があろうと、彼のやり方は日本人に嫌われる典型例だ。どんなに贔屓目で見ても選手から反感を抱かれる指導者だろう。だが私が許せないのは、彼らはピッチ上の実力で自らの座を掴んだのではなく、ピッチ外の「政治」を駆使し監督を追い出すことによって代表に選ばれたからだ。しかも、それを全く自覚すらしていない。呆れるしかない。

監督と選手の不和というのはサッカーではよくある話だ。今回のロシアW杯でもアルゼンチンは内部崩壊を起こし、選手によってスタメンが選出され監督が権限を剥奪されたとの報道もされた。また世界的な名将の一人に挙げられるアンチェロッティですらバイエルンでは選手に見切られている。そう、枚挙に暇がないどころか犬も歩けば監督が解任される程によくある話だ。我らが大宮アルディージャも2013…うっ頭が

それではぼくらのサムライブルーはどうだったのか。なるほど解任に関する報道をみると2018年3月の欧州遠征では相当に内部の雰囲気は悪かったらしい。ではチーム全体が完全にハリルホジッチにそっぽを向いていたかというと、どうにも怪しい。

www.huffingtonpost.jp

わざわざW杯後に3人の選手がクビになった前監督へ感謝の言葉を述べている。ただの社交辞令、たかが3/23人じゃないかとも取れる。更に浅野や森岡の言葉をみてみよう。

russia2018.yahoo.co.jp

だからこそ今大会の試合を見ても、そのことが(香川)真司さんや本田(圭佑)さんの活躍につながっていると思います。経験があればある選手ほど、監督の指示が違うと思えばチームのために意見を言うし、チームのためになると思ったら監督の指示と違うこともやろうとする。そういう意味では、監督が求めていることに100%集中する選手もいる一方で、それが難しい選手がいるというのも、また事実だと思います。

【日本代表】「観ていても分かると思うし…」。森岡が監督と選手間のギャップについても言及 | サッカーダイジェストWeb

監督を信じてやらないといけない。ワールドカップでそのやり方で結果が出なくて初めて、それがよくなったとなる。大会に入るまで良くなかったのに、ワールドカップで結果がでればそれは評価されるわけで。今の状況が良くないからといって選手たちのやりたいようになるのもどうかなと。それが結果につながる確証はないですしね

また神戸新聞の報道によれば、『「おまえは監督の言うことに従う派か、従わない派か」。選手の間では、そんな言葉が飛び交っていたという。』とのこと。(新聞記事を撮影したものしか見つからなかったため、リンクは控えます)

どうやら反ハリルホジッチの一枚岩ではなかった様子。そしてここで1つの問いが見えてくる。「選手は良かれと思って監督の指示に反しても、その行為は許されるのか」
今回の造反劇、そして2010年から2018年にかけての日本代表の問題はここにあると個人的に考えている。普通に考えれば答えは「許されない」だ。1つの例として今シーズンの武藤嘉紀が挙げられる。今シーズンはマインツに所属し、チーム1位の8得点をあげているにも関わらずスタメンとして確固とした地位を築けなかった。その一旦が伺えるのが下記のインタビューである。

best-times.jp

後半55分から(1トップとして)ピッチに立った武藤は中盤まで下がり、パスを受けて、攻撃を組み立てようとした。しかし、そのプレーは監督の意図とは反しているという。

「フランクフルトはいいテンポで回ながら攻めているのに、マインツは無理にでも前線に合わせてロングボールを蹴っているから前線が孤立してしまう。その違いが顕著にみられた試合だった。監督からは(相手の)DFとDFの間に立って、そこから裏を狙えと言われていたけど、ときには下がった場所で、パスを受けて、攻撃のテンポを作ろうと思った。前にいるだけだと、ボールにも触れないし、身体能力の高いこちらのDFに勝つことが難しいから」

おそらく、彼が監督から全幅の信頼を得られなかったのはこうしたプレーに原因があるだろう。監督の意図に反してプレーはしてはならない。何故か? それは至極単純で、サッカーがチームスポーツだからだ。予め監督がゲームモデルを策定し、11人の動きをデザインして試合に挑むにも関わらず、1人が勝手にゲームモデルの根本から反するプレーをしたら他の10人が困るのだ。チームとしているべき場所にいない、するべきプレーをしない選手、そんな選手を許容すると組織が成り立たなくなる。本人がチームのために良かれと思っても免罪符にはならない。

いやいやいやそれは実際にサッカーをプレイしたことのない素人が勝手に言えることだと仰る方もいるかもしれない。しかし社会通念上、あなたは上司の指示を無視して独断専行で仕事しますか? しませんよね? 何故サッカーだと許されるんですか?

しかしサッカー日本代表サムライブルーではそうした行為は許されるらしい。侍のくせに忠義心はない。象徴的なのは本田だ。ウクライナ戦でのプレーを訝しんでいたら、わざわざNHKの番組で自ら白状してくれた。彼は本当にプロフェッショナルなのだろうか。

まぁ彼らもただハリルホジッチが憎いから反旗を翻したのではないはずだ。「良かれと思って」行動したはずなのだ。そこに出てきる言葉は田嶋会長曰く「日本のサッカーのため」。上記の記事で乾は「自分たちはどっちかというとそういうタイプのサッカーは合わないと思う」と発言しているように、ハリルホジッチの方針に従っても未来はみえないと判断したのだろう。

ちなみに我らが代表はザッケローニの時にも戦術変更を進言している。そしてザックは次のように答えた。

本当に心の底から、我々のサッカーを信じてやっているのか? 私はそう思わない。もっとトライすべきことであって、深くとことんトライした上で、監督である私に意見を言ったほうが良いのではないか?

矢野大輔『通訳日記』P.280

ハリルホジッチの標榜するサッカーを日本代表はどこまで実践できていたのか。実際、かなり怪しいところがある。「縦に早く」はハリルホジッチのサッカーのキーワードのように扱われているが、よく読み解いてみるとその意図は正しく理解されていなかった。

note.mu

ハリルホジッチが言っていることの本質は「縦に速く」ではなくて「裏に速く」なんですよね。その「裏」というのは必ずしも「最終ラインの裏」ではなくて、常に相手の守っている場所のギャップをとっていく、ということになると思います。

twitter.com

また「デュエル」に関しても同様だ。単に"1対1の局面での競り合い"程度にしか受け止められておらず、その理解も我々は怪しかったというオチだ。

www.legendsstadium.com

確かに前監督は球際で激しく行くことも要求したが、基本的にファウルをしないこと、攻撃では時に相手からファウルをもらうことの大切さを説いていた。加えて1対1の局面では強さだけでなく、賢く闘うことも要求していた。つまり、デュエルの局面で負けなければいい。当たりの強さはベースの1つではあるが、全てではないのだ。

五百蔵氏は『砕かれたハリルホジッチ・プラン』の中で「デュエル」を以下のように位置づけている。

単なる1対1を意味するのではない、優れてタクティカル(戦術的)なデュエルであり、試合の趨勢を決めてしまうほど重要なものであること

選手、メディア、我々一般サポーターはどれほどハリルホジッチのサッカーを理解できていたのか。多分、理解できないから彼のサッカーを信じられず、クビにしたのだろう。

一方で浅野や森岡の発言を鑑みるに、それでもハリルホジッチの言うことに必死に付いていこうとした選手もいたことは事実だ。ハリルホジッチを信じられず「日本のサッカーのため」政治的手段によって監督にNoを叩きつけた選手と、監督の求めることに応えようと努力した選手。どちらが行動が正しかったのだろうか。結果的にロシアW杯メンバーに選ばれたのは前者の方だ。そしてその代償として歪な選出がなされることになる。その象徴的な犠牲は久保だろう。

goetheweb.jp

落胆、悔しさ、悲しさ……いろんな感情が一気に吹き上がってきた。なんでやろ? なにが足りなかったんやろ? 何度考えても答えが見つからない。発表が終わってからも自分の気持ちを整理することができなかった。正直に言えば、発表から数日経ったいまでも、整理できないままの気持ちを無理やり抑えているような状態だ。 いまの気持ちのままなら、僕はワールドカップをテレビで観ることもしないだろう。日本代表を応援したい気持ちはある。だが、ともに予選を戦った仲間たちがロシアの地で躍動する姿を観たとき、自分がどんな感情になるのか、よくわからない。

彼に関してはメンバー発表前の扱いもあんまりだ。

協会は結果的に5人の選手の要望を受けてハリルを解任した手前、彼らの面子を保つため選出せざるを得ない。彼らのうち4/5人がアタッカーのため、その煽りを受けて外された形であることは容易に想像できる。ちなみにそのうち3人は怪我明け、1人は試合感覚が空いており4人ともコンディションに不安を抱えていた。

久保が反ハリルだったかどうか定かではないが、実力的にも、戦術的にもW杯メンバーから選外になるような選手だっただろうか。ポーランド戦で酒井高徳が右SHで起用されたのをみて久保を選んでおけば…と頭を抱えた人もいるだろう。 西野さんは初陣となるガーナ戦で宇佐美と本田の2シャドーという狂気の沙汰をみせている時点で、W杯初戦で起用したスタメンを選考段階で想定していたとは思えない。SHの役割をこなせるのが乾と原口の2人しかいないのにも見てとれる。おそらく、23人の選出にあたっては具体的戦術は何も考えてなかったのだろう。造反劇によって発生した無計画なメンバー選考の犠牲になり、日本代表に尽くしてきた4年間が報われなかったのは久保だけではない。彼らの無念さは、他人が勝手に代弁するのすら憚られる。

それなのに、それなのに冒頭の乾と岡崎のコメントである。これほど人をコケにした発言はあるだろうか。造反して選ばれた選手、ハリルホジッチを信じて選ばれなかった選手、どちらが4年間で筋を通してきたのだろう。

www.hochi.co.jp

今回、メンバーから落選した20代の選手からは「もう代表に協力したくないとすら思う。多くの時間を代表にささげ、結果を残した。落選理由も説明されていない」という声が聞かれた。

乾も、岡崎も、香川も、本田も、そして吉田も日本人サッカー選手として実力も実績も傑出した存在だ。尊敬の念も抱いていた。しかし、私はもう純粋に彼らを応援することはないだろう。長谷部の代表卒業旅行に連れて行ってもらってよかったな。長谷部も日本サッカー史に残るキャプテンだとは思うが、2大会連続で監督と選手の間を取り持つことに失敗していることについて、誰か引退後にでも聞いてみてほしい。

先にも書いたとおり、最も糾弾されるべきはハリルホジッチ解任を決断した田嶋会長だ。そのため田嶋幸三川淵三郎の息のかかった人物が会長職に就いている間、私が日本代表の試合を見ることはもう無い。
これまで根拠に並べてきたことは所詮スポーツ新聞、週刊誌の報道である。しかしこれらを明確に否定する記録が出てこない限り、解任の一端を担ったと思われる選手達を許す気にはなれないのだ。

最後に、ロシアW杯の屈指の名勝負としてメキシコ-ドイツ戦と並んで後世にも語られていくであろう、ベルギー-ブラジル戦後のロベルト・マルティネス監督のコメントを引用して筆を置く。

www.soccer-king.jp

「初めての戦術を用いたが、必ず勝つことができると思っていた。大事なのはその実行力だ。それが今日は素晴らしかった。監督の指示を選手たちが受け入れるのには勇気が必要だ。だが、彼らは2日でポジションとアプローチを変えた。選手たちに作戦を与え、それを彼らが完璧に実行する。それが監督の役目だからこんなに誇らしいことはない」

 
P.S.

許さないリストにもう1人いることを忘れていたが、もう文章を書く気力がないので記事を並べておく。

www.nikkan-gendai.com

j2iroiro.blog.jp

www.sponichi.co.jp

手倉森コーチの昇格を望み、それを想定していた選手も多い中、西野監督が就任

惜しかったね。

「ゆるキャン」という作品について

久しぶりに琴線に触れる作品だったので筆を執ってみよう。自分がこの作品に心惹かれた理由を整理したキモい文章が以下に続く。

(2018年3月時点、既刊6巻までを読んで)

前提として

もともと私は高校の頃に山岳部に所属していたのでアウトドアに関しては人より少しだけ経験があったりする。 しかし当時はゆるキャンとは真逆の”ガチキャン”。テントやら食料やら15キロ超の荷物を背負い登っていたのでどちらかといえば楽しい記憶より苦痛の方が鮮明だ。スイカ1玉をまるごと山頂に持っていったりした覚えもある。頭おかしい。

そんな登山しかやってこなかったため高校卒業後は山とはほぼ無縁に。しかし昨年からその当時の仲間に誘われて日帰り登山に何回か行ってきたところ、ゆるく登って帰りに温泉入るくらいのレベルであれば登山も楽しいことに遂に気付いた。 そう、レベル5にも関わらず重登山靴を履かされて目標到達レベル50みたいな山に登っていたのがそもそもの間違い。ただ単に身の丈に合わせた楽しみ方をしていなかっただけなのである。

そんな折にアニメ放送が開始したのがこの「ゆるキャン△」。まさに身の丈に合わせつつキャンプへ夢中になっていく作品だったため上記のタイミング的にも心惹かれるものがあり、即座にKindleで買い揃えてしまった。

以下に私がこの作品を気に入ったポイントをつらつらと挙げてみよう。

1. キャンプ場描写

一番はやはりこの点に尽きる。

夜景や料理、旅情をそそるキャラクターのやり取りなど、今までアウトドアに無縁な人でも「キャンプ行きたい」と思わせる吸引力を持つのが本作だが、私がなによりも気に入ったのはキャンプ場の風景が挙げられる。キャラクターも描かれない単なる風景のコマがこの作品には多く見られるが、この描写こそが私のツボをついてきた。

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深夜の高速PAなど、蛍光灯や自販機の明かりのみが灯ったしんとした空気が大好きなのだが、それはキャンプ場にも当てはまる。自然に囲まれ、日中は人が集う建物すら夜間は寂とした雰囲気を醸し出す。あの寂しさこそがあえて人里を離れた旅を選ぶ理由であると思うが、その感情をこの作品はわずか数コマで演出している。この描写こそが、作者の感性に全てを委ねても良いと判断できた最大のポイントだ。

2. 志摩リン

次に挙げられるのが志摩リンというキャラクターとなる。

キャラクターから逆算して話を創るというのはありふれた手法だと思うが、おそらく本作は「志摩リン」というキャラクターの発明により始まっている。そのため久しぶりにキャラの持つ役割に感心させられた。

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「集団と個人」、「初心者と上級者」といった形で野クルの面々と対照的に描くことでキャンプを多面的に描写。また高校生でキャンプ初心者である野クルの面々を毎話キャンプに動員できないという作中都合を、彼女に原付という機動力を持たせることで解決。作中でキャンプ描写を途絶えさせない役割も担っていたりもする。 更にサザエさん時空を採用していない以上、ただキャンプを繰り返すだけでなく何らかの物語も必要となってくる。そこで孤独なソロキャンガールである彼女が野クルの面々とクリスマスキャンプをするまでの過程をストーリーとして採用。彼女のクリスマスキャンプ参加がお話の1つの区切り(単行本1〜4巻)として位置づけられている。

以上のように幾つもの役割を担うことで作品に奥行きをもたらしているのが志摩リンだ。キャラクター一人でここまで話を構築できるのかと久しぶりに感心させられた。

3.『寂しさも楽しむ』

野クルの面々もキャンプに慣れ始め、志摩リンもすっかり5人のメンバー入りを果たした。クリスマスキャンプで1つの区切りとした以上、次のお話をどう動かしてくのかが気になるところだが、5,6巻を読んだところ、おそらくなでしこがソロキャンをするまでが次の区切りとなるのではないかと予想される。

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というのも作者にとってキャンプの最大の魅力は「寂しさ」にあると考えていると推察されるからだ。上に挙げたキャンプ場の描写にもそれは垣間見えるし、5巻で決定的な台詞をリンが発している。

そもそもこの作品、この手の作品にしては珍しく?「みんな”いつも一緒”に仲良し」というスタイルではない。そもそも主要キャラクター5人が一同に会したのはクリスマスキャンプが唯一ということも特筆できるだろう。ちなみにマジだ。このあたりの距離感が私のツボをついたのもあるが、「いつも一緒」ではないのはおそらく作者が描きたいキャンプの魅力とは相反するからだ。

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どうでもいいけどクリスマスキャンプを境にお互いの呼び名が変わっているのも尊い…尊くない?

そもそもアウトドアは本質的に「寂しさ」を楽しむという意見には首肯できる。普段過ごしている集団や街から離れて、あえて自然の中で不便に過ごすアウトドアがなぜ楽しいのか? それは日常という、普段は切っても切れないものから気軽に離脱できる行為だからだ。当然ホームグラウンドから離れる訳だから孤独や寂しさも感じる。しかしそれを感じられるのもアウトドアの特権だ。私が登山に見出した楽しみの1つもこの感覚であり、だからこそこの作品に心惹かれたのだろう。

作者が季節に冬を選んだのも、ソロキャンパーを登場させたのも、読者にこの楽しさを伝えるための布石だ。主要キャラが集ったグループキャンプを経てすっかりキャンプに夢中になり、初心者であったなでしこが次のステップとしてソロキャンを経験することで、作者は改めて「寂しさを楽しむ」キャンプの魅力を提示し、作品としてはまた1つの区切りを迎えるだろう。

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あんな天真爛漫な子がこんな表情でソロキャンに思いを馳せるギャップがヤバイ(ヤバイ)

ちなみに「寂しさ」がキャンプの魅力であっても、決してキャラクター同士があっさりした仲ということは当然ない。1~4巻で5人がキャンプをするまでを描いたように、むしろこのあたりの過程は丁寧に描いているのもゆるキャンの大きな魅力だ。アニメのキャッチコピーは『きっと、そらでつながっている』と銘打たれており、やはりアニメスタッフもこの作品の魅力はそうしたキャンプの楽しさと、丁寧な人間関係の両義性にこそあると踏んだのだろう。

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ちなみに以上の予測は外れていることが7巻で明かされる。

まとめ

この作品のせいで登山用品を買い揃えてしまった。早く暖かくなって(懇願)

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MacBook Proを買ってしまった

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ツーショット

表題の通り、MacBook Pro 13インチを買ってしまった。新品なので当然2017年モデル。escキーが物理キーじゃないと嫌なのでTouch Barが付いていないモデルを選択。それでもメモリを増やしてSSDの容量も上げてAppleCareに加入したら200kを超える価格に上がってしまった。だからどうしたって?世間のブルジョワジーな方々には端金かもしれないが、IT業界底辺をさまようプロレタリアートたる私にはかなりの金額なのだ。故にかなり後悔している。しかし最大の問題は金額ではなく、200kもするようなPCを喫緊で必要とするほど困ってもいないことである。それでも舌を噛み切る思いで買ってしまった。何故だ?(自問自答)

何故買ってしまったのか。理由は至極簡単で、今まで使っていたMacBook Airが壊れてしまったからだ。スリープから復帰の挙動が怪しい、設定がごちゃごちゃしている等の理由でクリーンインストールをしたっきり、彼?が再び目覚めることはなかった。とりあえず修理に持ち込んだところ、SSD+αが故障の原因のようで修理代60kが提示された。流石にこの値段を払うくらいなら新しいものが欲しくなってくる。モデルもMid 2013なので再来年以降には部品の供給もなくなる。それなら新しいモバイルPCを検討した方がいいということで、壊れたMacBook Air君はこれにてお役御免。今までありがとう。さて新しいモバイルPCを検討しよう…とするが、あいにく最近はモバイルPCを必要とする場面がめっきりなくなってしまっている。最悪GPD Pocketもあるあれはオモチャだ。正直なところすぐに買い直す必要性は無い。それでも新しいMacBook Proを買ってしまった。何故だ?(自問自答)

何故買ってしまったのか。理由は極めてふわっとしたもので、この度お役御免となったMacBook Airにそれなりの思い入れがあるからである。とある事情で大学を休学し、ライターまがいのアルバイトを始めたのがMacBook Airを購入したきっかけだ。会社で使えるモバイルPCがどうにも使い勝手が悪く、それなら自分で買ってしまおうということで長年の憧れだったMacBook Airを購入した次第である。以降、色々な展示会や発表会、セミナーのメモ取りに活躍してれた。また当時は休学に伴い大学の下宿先から急遽実家に帰ったため自室がなく、居間にしか居場所が無かったので公私共にこの携帯性の良いMacBook Airをメインに使用していた。

この頃は精神的にどん底ベロンチョの状態で、どうやって人間社会に復帰していくのか露頭に迷っていた時期となる。結局は上記のアルバイトをきっかけに社会復帰から現在の職場にまで至るのだが、まぁ要するに今までの人生で一番辛い時期に苦楽を共にしたのがこのMacBook Airなのである。思えば就活でもこいつを使っていた。リクルートスーツを着てサンマルクで履歴書やエントリーシートを書きながら、WindowsMacのOfficeの互換にキレていた覚えがある。別にこのMacBook Airを使ってバイト先で何十万PVもある記事を書いた訳ではないし、アフィリエイトで稼いだという訳でもない。それでも思い入れというのはそういうものである。

無事に新卒…新卒?として就職でき、自由に使える自室が与えられてからは次第にMacBook Airの出番も減っていった。ライターまがいのことをしていた時は頻繁に出先でPCを使う必要があったが、今は内勤のエンジニア。更に自室ができてからは据え置きのWindowsPCを主に使っている。せいぜい月に一度、外部の勉強会に参加した際のメモ取り程度にしか使わなくなっていた。そしてだんだん不調が続くようになり、ついに起動しなくなってしまった。この通りの使用頻度であったから別に無くなっても困らない。それでも修理代60kを提示され、このMacBook Airに見切りをつけた際に、購入した当時の記憶を思い出してしまったのである。人生八方塞がりに見え、それでもなんとか新しいことを始めてみた時、自らを発奮させる意味も込めてMacBook Airを手にした当時の記憶を。

まぁとどのつまり小さな感傷によって惜しくなってしまっただけである。しかしアナログ品ならメンテナンスをこまめに行うことで長く使うこともできるが、如何せんPCはそうはいかない。ムーアの法則には逆らえないので、新しいものに買い換えざるをえない。どうせなら同じモデルが欲しかったがAirのラインナップは収束に向かっている。そこで代わりに選ばれたのが今回購入したMacBook Pro 13インチだ。現代人はブラウザで沢山のタブを開くからメモリ16GBを選択できないMacBook君は選外。

以上、自らを納得させるためつらつらと書き綴ってきたが、本当のところは物欲に逆らえなかっただけだ。しかしせっかくそれなりのスペックのものを買うのだから、少しでも活用しないとあの世でMacBook Airに合わせる顔がない。

Apple Watchについて語っておきたい5つのこと

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タイトルは適当です。

本日9月22日、iPhone8とともにApple Watch3が発売されました。前モデルから気圧高度計の追加や心拍計測機能の強化などがされましたが、注目はやはりセルラー版の登場。iPhoneいらずで単独で通信できるようになり、ウェアラブルバイスとして一歩先を進んだといえるでしょう。 ちょっと前に「スマホの次」としてもてはやされた頃よりウェアラブル市場は落ち着きましたが、そろそろ性能もこなれてきただろうとApple Watchが気になる方も増えてきているかもしれません。 一年間Apple Watch2を使い続けた私ですが、このデバイスに対する感想を綴ることでそうした方々への判断材料になれば幸いです。

重量に気をつけて!

一番伝えたいことはこれです。普段、というか常時身につけることを想定したデバイスにおいて一番重要なのは重量です。私はフォーマルにも似合うかなとステンレススチールの42mmを購入したのですが、これが失敗でした。52.4gは常に身につけるには重い! 重すぎ! 仕事中も気になって結局外してしまってますが、いちいちスマホを取り出さなくても通知を受け取れるというメリットが皆無になりました。 よほどのこだわりがなければアルミニウムの38mmを勧めます。こちらはApple Watch3のGPS版で26.7g。軽い! え? 軽すぎない?

何に使うのか?

Apple Watchは現行の時計型ウェアラブルバイスでできることは全てできるといっても過言ではないでしょう。それでも主な用途はワークアウト計測。その証拠に公式ページではフィットネス・健康がメインにアピールされています。そのため基本は普段から運動している人に勧められるでしょう。 日頃運動していない人に用途はあまり無いよという話になるのですが、JRで通勤/通学している人にはモバイルSuicaバイスとして紹介もできます。わざわざSuicaスマホを出さなくても改札通過できるのは意外に快適。左腕に付けるためタッチする時は右側に体を捻るのかとたまに揶揄されますが、ほんのちょっと腕を伸ばせばいいので無問題。 またiDやQUICPayも使えるため、コンビニや自販機でさっと会計できるのも新鮮な体験です。そうした先進性を体感したいというテッキーな人にもおすすめしたいです。 ちなみに私は通勤定期をAppleWatchに入れることで無理やり毎日使用しています。2年間の減価償却は長い。

あと私がよく使う機能はタイマーと駅.Luckyアプリです。前者は音を鳴らさずに時計のバイブ機能で通知してくれるので電車の乗り過ごし防止や社内での昼寝等には大役立ち。後者はスマホを出さずとも手元でさっと時刻表を調べられるのでお手軽便利です。

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タイマー機能 静かに起こしてくれる
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駅.Lucky 急いでいる時に重宝

電池持ち

すぐ電池が切れるんでしょう? と思われがちですが2日間なら充電無しで十分持ちます。それでも定期を入れている都合上、毎日充電するようにはしています。

買ったほうがいいもの

AppleWatchを日々使う上で必須なものは特にありません。それでもあればいいかなというものを紹介したいと思います。

1.充電スタンド

付属品の充電ケーブルだけでは微妙に使いづらいです。そのため充電ケーブルをはめ込めるタイプのスタンドをオススメします。手頃な値段ですし、帰宅したらさっと外して充電スタンドに置くという使い方が習慣付けられます。こうしたちょっとしたルーチンも、この手のものを使い続けるには必要かなと。

2.予備の充電ケーブル

精神衛生上、職場や旅行用にあった方が安心できます。特に定期券を入れて使用していると電池切れは死活問題です。あって損はしないと思います。私は一度泣く泣く切符を買って帰宅しました。

3.気分転換のバンド

おそらく多くの人は始めにスポーツバンドのセットで購入してそれを使用し続けると思いますが、サードパーティ製のバンドが思ったより安く市場に出回っています。手軽に交換できるのがAppleWatchの特徴の1つですので、飽きてきたら交換してみるのも1つの楽しみ方。なお私は白のスポーツバンドに服から色移りしてしまい、否応なく新しいものが必要になりました。

セルラー版について

ついに単独で通信できるようになった! うおおおおおお…と発表時は私も思いましたが、時間をおいて考えてみるとまだ時期尚早かなというのが私の考えです。そもそもスマホを持たずに外出する時がどれほどあるでしょうか? それこそランニングなどの運動時以外は思い当たりません。 そしてApple Watch2の段階で単体でのGPSラッキングにも対応してますし、予め時計側にプレイリストを転送しておけばiPhone無しでもワイヤレスイヤホンで音楽を聞けます。 じゃあ単体で通信して何ができるようになるのか…というと、私は「単体でApple Musicをストリーミングで聞けるようになった」くらいしかまだ思い浮かびません。運動中に通知も受け取れるようになりますが、それこそ運動中にいちいちLINEの通知が来ても気が散るだけでしょう。またいくらLTE Cat1を採用しているとは言えBluetoothに比べれば電池も消耗するはずです。 以上のことから個人的には月額378~540円の価値はまだないかな、と思います。ただセルラー版の購入=契約が必須という訳ではないので、1ヶ月だけ体験してみるという購入の仕方でもいいかもしれません。

まとめ

みんなApple Watch Series 3 アルミニウム38mm GPSモデルを買おう!!! 買え!!! 買うんだ!!!

resolv.confが上書きされる事象について(CentOSの場合)

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/etc/resolv.confに直接DNS設定を記述していたところ、気がついたら勝手に上書きされてしまっていた件について簡易メモ。 今回はCentOS系について。ディストリビューションによって管理の仕方は結構違うものなんですね(小並感)。

調査対象

  • CentOS6系
  • CentOS7系

ケース1:DHCPを使用している場合(CentOS 6.8で確認)

症状

  • network.serviceを再起動すると手動で設定したresolv.confが上書きされてしまう
  • DHCPでもらってくるDNSに上書きされる、もしくはDHCPを使用していなくても別NICに設定されているDNSの内容にresolv.confを書き換えられてしまう

例えば...

; generated by /sbin/dhclient-script
search xxx.com
nameserver yy.yy.yy.yy
nameserver zz.zz.zz.zz

原因:dhclient-script

ローカル用にカスタマイズしたい場合は、提供されているHOOKSを使用する。 このフックによって/etc/resolv.confファイルを作成してデフォルトの振る舞いをオーバーライドすることが出来る。

対処法

  • ifcfg-*に”PEERDNS=no”を記載する
  • CentOS7の場合、nmcliコマンドでもOK
nmcli c modify [nic名] ipv4.ignore-auto-dns "yes"

/etc/dhclient.confを編集するという手段もありそうだけど、こちらの方が簡単だと思います。

ちなみに…

  • BOOTPROTO=noneにするだけでは書き換えが発生する場合もある模様。DHCPをオフにするだけでは駄目らしいです。 d.hatena.ne.jp

ケース2:NetworkManagerによるもの(CentO S7.2で確認)

事象

  • NetworkManagerやnetwork.serviceが再起動された際にresolv.confが自動的に上書きされてしまう
  • 上書き内容はifcfg-*に記載されているDNS
  • 記載がない場合は空のファイルが作成される

# Generated by NetworkManager


# No nameservers found; try putting DNS servers into your
# ifcfg files in /etc/sysconfig/network-scripts like so:
#
# DNS1=xxx.xxx.xxx.xxx
# DNS2=xxx.xxx.xxx.xxx
# DOMAIN=lab.foo.com bar.foo.com

原因:NetwrokManager

(私の場合、NetworkManagerの再起動で上書きされるホストと、network.serviceの再起動で上書きがされるホストがあったりして、この点は切り分けができませんでした)

対処方法①

  1. NetworkManagerを停止させ、自動起動しないようにする
  2. ifcfg-*ファイルにNM_CONTROLLED=noを追記し、network.serviceを再起動させる

※NM_CONTROLLEDとは?

NICの設定や制御をNetworkManagerで行うことを可能にするか否かの設定

http://www.obenri.com/_minset_cent6/netconfig_cent6.html

対処方法② (推奨)

1 /etc/NetworkManager/NetworkManager.confに設定を追記

[main]
【追記】dns=none 

NetworkManager.conf man page - NetworkManager | ManKier

Set the DNS (resolv.conf) processing mode. (略) none: NetworkManager will not modify resolv.conf. This implies rc-manager unmanaged

2 追記後、NetworkManagerの再起動を実施する

NetworkManagerとは?

そもそもこいつはなんなのか?

1.3. NetworkManager について - Red Hat Customer Portal

Red Hat Enterprise Linux 7 では、NetworkManager がデフォルトのネットワークサービスを提供します。これは動的なネットワーク制御および設定デーモンで、ネットワークデバイスと接続が利用可能な間は、これらをアクティブな状態に保ちます。

1.8. NetworkManager とネットワークスクリプト - Red Hat Customer Portal

NetworkManager はデフォルトのネットワークサービスを提供しますが、Red Hat 開発者はスクリプトと NetworkManager が相互に協力できるようにしました。スクリプトに精通している管理者はそのままスクリプトを継続して使用できます。両方のシステムが並列して稼働し、協力できることが期待されています。 NetworkManager は sysconfig 設定ファイルを使用するプライマリアプリケーションとされており、/etc/init.d/network はフォールバックとなるセカンダリーとされています。

1.9. sysconfig ファイルを使ったネットワーク設定 - Red Hat Customer Portal

/etc/init.d/network は起動時にすべての ifcfg ファイルを読み込み、ONBOOT=yes となっているファイルすべてに関して、NetworkManager がすでに ifcfg ファイルの DEVICE を起動しているかどうかをチェックします。NetworkManager がデバイスを起動している最中、またはすでに起動し終わっている場合は、そのファイルについてはこれ以上なにも実行されず、次の ONBOOT=yes ファイルがチェックされます。NetworkManager がまだデバイスを起動していない場合は、initscripts は従来の動作を継続し、その ifcfg ファイルの ifup を呼び出します。

上記の通りCentOS7以降ではネットワーク周りの制御が大きく変更されています。直接resolv.confを書き換えてもOSやnetwrokを再起動するとNetworkManagerがifcfgファイル内容を読み取り、その内容でresolv.confを上書きしてしまう挙動が今回の原因になります。ただしnmtui、nmcliコマンドはこいつと対話できるようにするコマンドだったりするので、CentOS7では以前のようにNwtworkManagerを停止させるのは得策ではなさそうですね。

NetworkManagerの挙動に関してはもっと勉強が必要そうです。

快適な左右独立ワイヤレスイヤホン 『Air by crazybaby』レビュー

AirPodsが発売された頃、左右独立型のワイヤレスイヤホンいいなーと思っていたところに彗星のごとくMakuakeに登場したAir by crazybaby。これはと思い投資したところ出荷延期や代理店の対応等ですっかり燃え上がってしまったAir by crazybaby。クラウドファンディングなんてそんなものと、おおらかな気持ちで必死に待っていたら到着したAir by crazybaby。1週間弱使用したので簡単にレビューしたいと思います。f:id:ko916:20170807002437j:plain

良いところ

  • 装着感 なんといっても装着感がgood。跳んでも走ってもズレない。これまでカナル型のイヤホンは幾つか使ってきましたがAir by crazybabyの装着感はナンバーワンでした。
  • 遮音性 装着感もさることながら遮音性も結構良いです。ノイズキャンセリングイヤホンには流石にかないませんが、通勤中の電車内くらいなら十分に音を遮断してくれます。音漏れに関しても問題ありません。
  • 音質 私の貧弱な耳による主観的な感想ですが、期待以上の音質。特に細かい音までしっかり拾ってくれるので、曲によってはこんな音がなっていたのか!と今更ながら気づかせてくれました。ちょっ高音が弱いかも。
  • 充電ケース こちらはAir by crazybabyに限らない話でですが、収納ケース=充電ケースというのは思った以上に便利です。わざわざイヤホン本体にケーブルを刺さずとも入れるだけで充電してくれる使い勝手の良さは非常に素晴らしい。磁石でピッタリくっつくのも安心感があります。ただケースは事前のイメージより大きい。

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ケース大きい…大きくない?

駄目なところ

  • 操作性: 左右のイヤホンの丸い部分がボタンになっているのですが、これが非常に押しづらい。左右イヤホンのボタンをそれぞれ長押しして電源オン、右耳側1回押すとで再生/一時停止、2回で次の曲…といった具合で操作できますが、装着したまま押そうとすると耳に押し込むよう感じで押す羽目になり、とてもじゃないが快適な操作とはいえません。私の場合はApple Watchでも操作できるためこの点はそこまで気になりませんでしたが、そうでないならスマホ本体で操作したほうが吉。イヤホンを出した瞬間電源がついてペアリングしてくれるAirPodsはこの点に関しては流石です。
  • 音飛び: 曲を飛ばしたりすると一瞬音が飛ぶことがある。またスマホ側で音量調整すると音量1では音が鳴らないなど、ちょいちょい不安定。また電波が飛び交っている雑踏も苦手かもしれません。しかし使用において致命的というレベルではないので許容範囲内。 遅延に関してはiPhone6s、galaxy S7 edgeで使いましたが問題はありませんでした。
  • 音質: 上で褒めましたが、若干音がこもっているのは残念。ただ屋外で使う分には気にならないレベルだと思います。
  • 謎のシリコンケース: おそらくは本体保護のためのケースだと思いますが、装着すると充電できなくなるのでもうちょっと考えて欲しかったかな…。
  • 謎の発光: 使用していると定期的にぼんやり光ります。ちょっと気恥ずかしい。

総評

発売までにゴダゴダがあり、更に品質にバラつきがあるのか、Amazonレビューでは散々な叩かれようです。しかし私の手元に届いたAir by crazybabyは満足できる代物でした。たしかにちょっと足りない部分はありますが装着性は本当に素晴らしいものがあり、左右独立型のワイヤレスイヤホンでここまでフィットするのは快適そのものです。「ケーブルがない」ことがここまですっきりするとは思いませんでした。 Air by crazybabyが発表された頃とは異なり同系のワイヤレスイヤホンは様々な商品が出てきていますが、運動用、通勤用に装着性を重視したものを探している人にはおすすめできると思います。品質の個体差については祈りましょう。

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※アプリも日本語化された模様。操作説明の他にEQもいじれるようです。

内田弘樹『艦隊これくしょん ー艦これー 鶴翼の絆 4巻』レビュー

飛龍ハ健在ナリ

雑記を書きたいということで始めた本ブログ。第一回目の投稿は書評ということで先日発売されたばかりの『艦隊これくしょん ー艦これー 鶴翼の絆 4巻』を取り挙げてみようと思います。本作は前作に引き続き、艦これの2014夏イベント「AL/MI作戦」をテーマにした物語であり、余所では中々取り上げられないにっこにこにーこうせん二航戦や舞風、第17駆逐隊の面々がフォーカスされるなんとも嬉しい作品となっております。イベントのモチーフとなったミッドウェー海戦に大きく関わっていた彼らが如何に敵に、己に立ち向かっていくかが大きなテーマであり、この点は「鶴翼の絆」で一貫して描かれ続けているテーマでもあります。

「艦これ」というゲームは言うまでもなく、キャラクターのモチーフを第二次大戦時の日本海軍の艦艇に求めている点に最大の特徴があります。「艦これ」の生みの親である田中謙介氏も、悲惨な結末を辿ってしまった艦艇の歴史をプレイヤーと共有したいという思いでゲームを開発したとインタビューで答えており、キャラクターの造形や台詞、海域名、装備といった様々な箇所に歴史へのアクセスを容易にするチップが散りばめられています。我々プレイヤーからすると、キャラクターを掘り下げたいというオタク心から必然的にそうしたチップを辿ることになり、そこで史実を知ることで更にゲームへの没入感を増幅させる構造に、このゲームがヒットした一端があるのかなぁと解釈してます。ちょうど「AL/MI作戦」はこの構造が最大に発揮されたイベントではないでしょうか。分かりやすいリベンジだしね。

また「艦これ」はライトなキャラクターゲームという側面もあるので、プレイヤーには気持ちよく没入してもらわなくてはいけません。一方でモチーフとなった艦艇は二次大戦期のものであり、日本人にとって「戦争」とは70年が経過した今でもなお太平洋戦争のことを指し、乗り越えられていないものです。つまりちょっと頭を空っぽにして思い入れをもってもらうにはめんどくさいシロモノです。更に海軍の艦艇ですから当然人を殺すための兵器であり、それをモチーフにしたキャラクターが活躍するということは、その暴力性を発揮するということでもあります。これもちょっとめんどくさい。

この点を一挙に解決するために、敵は人類を脅かす化け物=深海棲艦と設定されています。かつて人を殺すために造られたものが、今度は人類を守るために活躍する。とても気持ちのよい、痛快な設定です。これでプレイヤーは脳死状態でキャラクターを愛でることができます。やったぜ。

ところが「鶴翼の絆」の筆者である内田弘樹氏は、そうは問屋を卸してくれません。キャラクターが太平洋戦争の海軍の艦艇であること、兵器であることにどこもまでもこだわります。シリーズ1巻では「あの戦争」というワードがくどいと言われてしまうほど出てきて(この点は次巻以降に改善されましたが)、作中の艦娘は自らの戦歴に悩まされます。決して艦娘が痛快無比な活躍をするシリーズではありません。それでも悩み苦しんだ末に過去を乗り越え、自分が戦う意義を見出すストーリーは、ゲームプレイヤーであれば、更にそれが好きなキャラクターであればなお、大きな感動を覚えるのが本シリーズの魅力だと思います。エンターテイメントとしての他に、わざわざこうしたプロセスを艦娘に辿らせるのは、架空戦記というジャンルを専門とし、兵器をエンターテイメントとして扱ってきた内田先生ならではの艦艇への敬意ではないかと、私は捉えています。この過程があるからこそ、初めて艦娘を心置きなく活躍させることができる。どこかでこうした作風を「鎮魂」と表現しているのを目にしたことがありますが、「鶴翼の絆」は正にそうした作業をプレイヤーに代わって物語が執り行ってくれているシリーズと言えるでしょう。

前置きが長くなってしまいましたが、「鶴翼の絆 4巻」のレビューです。史実で大敗北を喫したミッドウェー海戦のリベンジと「MI作戦」に挑む瑞鶴らでしたが、前半である3巻では赤城、加賀、翔鶴が戦闘不能に陥るなど史実並の苦境に立たされます。そこから反撃するために悲壮な決意をもって旗艦を務める蒼龍と、その決意に付いていけない唯一無二の相方である飛龍。この2人のすれ違いながらの反撃戦がメインのドラマとなります。また多くのプレイヤーを阿鼻叫喚の境地に叩き込んだ「AL/MI作戦」E-6ステージも再現。AL/MI作戦で敵に攻め込んだら逆に敵に攻め込まれたンゴwwwwwンゴ……としか言いようのない状況で主役を張るのは古強者、長門です。

やはり本作最大の魅力は飛龍でしょう。読者からすると史実で活躍した「AL/MI作戦」のノベライズであり、ゲームではテーマ曲も与えられ、3巻の表紙にも改二の姿がある飛龍が活躍すると思いきや、その予想に反して作中の飛龍はずっと思い悩んでいます。なにせミッドウェー海戦ではただ1人反撃して一矢報いた誇りを相棒の蒼龍に否定され、拠り所を失ってしまっているのです。それでも蒼龍も瑞鶴も戦闘不能に陥り、再び自身が最後の希望となった時、己の誇りを見つめ直し、「飛龍の反撃」を開始する姿は込み上げるものがあります。有名な電文である「我レ今ヨリ航空戦指揮ヲ執ル」「飛龍ハ健在ナリ」、この2つの使い方も本当に抜群です。未読の方は楽しみにしていてください。また相棒である蒼龍が何故そこまで悲壮な覚悟をもっていた理由が最後に明かされますが、やはりこの物語は「鎮魂」なのだなぁとしみじみと思わされます。

長門の描き方も秀逸です。鎮守府を守るため、なんと大和を差し置いてダイソンと殴り合いを繰り広げます。大和型に次ぐ戦艦ということもあり、ともすると噛ませ役にもなりがちな(アニメでもそうなるんだろ、俺は詳しいんだ)彼女ですが、その点も乗り越えた誇りの高さを魅せつけてくれます。エプロン姿も見せてくれます。

この他にも航空戦艦や潜水艦、第11駆逐隊の面々の活躍も見られますし、5-5のイベント出禁のヤツまで登場する濃密な中身となっています。またこれまで硬い内容を挙げてきましたが、17dgの掛け合いを始め、クスリとくるライトノベルならではのキャラクター小説としても楽しめます。個人的には陸奥の爆沈した連合艦隊旗艦の誇りがツボでした。

次巻はぼちぼち重巡の娘たちがみたいなぁ(願望)。